飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「ほら、そんな事はいいから食べろ。せっかく作った料理を残された方がよっぽど腹を立てるぞ、俺は」
「は、はい! すみません」
こんな美味しいオムライスを作ってもらったのに、残すだなんてとんでもない! だからと言って急いで食べるのも勿体なくて一口ずつじっくり味わっておきたかった。
ほっぺが落ちそうってこういう事なのかな? 行儀が悪いかもと思うけど、片手で頬を押さえるのをやめられない。
「本当に美味しいです。多分私が食べたオムライスの中で一番、そのくらい……櫂さん?」
今の気持ちを伝えたくて櫂さんに説明していると、彼の手が真っ直ぐ私に向かって伸びてくる。優しい眼差しのままの櫂さんがふわっと微笑んで私の頬に触れたような気がした。
ドキンっと大きく心臓の音がして、じわじわと体が熱くなるような感じ……
「……多分、なの? 俺のが間違いなく一番って言ってくれないのか」
彼の指先にご飯粒、どうやら櫂さんはそれを取るために手を伸ばしたようだった。子供みたいなとこを見られて恥ずかしいが、それ以上に強請るような櫂さんの口ぶりに心臓がバクバクしてくる。
しかも櫂さんはそのご飯粒を躊躇なく、自分の口の中へと……
「か、櫂さん! そんな事を……っ!」
焦って椅子から立ち上がる私に彼は極上の笑みを浮かべると、もう一度甘えたような声で私に強請る。
「俺の作ったオムライスが一番だって、千夏の口から聞きたい」