【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
俺は知っている。 阿久津社長の下、ほっくんが真面目に仕事をしている事を。真面目さが仇になりたまに空回りしてしまう事もあるけれど、阿久津フーズファクトリーの跡取りとして責任を持って生きている事も。
そしてそんなほっくんの事が阿久津社長同様俺は大好きなのだ。
異例の若さで社長室に人事異動になった俺に初めて親切にしてくれたのが、社長の息子である彼 阿久津北斗だ。ほっくんとあだ名で呼ぶ位には懐いている。
男ばかりの三人兄弟の末っ子で育ってきた俺は、人に甘えるのが昔から得意だった。 そして実の兄達よりもほっくんは優しい。
五つも年下の俺が’ほっくん’と呼ぶことも嫌がらず、社長の息子であるというのに彼は偉ぶった所が一つもない。
社長室に移動になってから本当の弟の様に可愛がってもらって、今では会社で一番仲の良い存在になった。
「海、携帯が鳴ってるよ」
テーブルに置いてあった携帯がぶるりと震えてメッセージを受信する。
きっとレナからの返事に違いない。