【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「お父様ったら、翔さんに何て事仰るの?! 翔さんは私達家族の為に毎日頑張っているのよ?!
本当に玩具ばっかりあっても困るんだから、玩具は特別な日のプレゼントだけにして下さいッ」
やっぱりルナは結婚をして母になり強くなったかと思う。 父は娘に怒られ肩を落とし子供の様に指遊びをしながらいじけている。
白鳥翔への父の嫌味は今に始まった事ではない。 初めはえらく結婚を反対していて、彼のお父様の会社であるSIRATORIセキュリティーを本気で潰そうとしたのだから。
そんな父の態度に慣れっこな白鳥翔は呆れながらも母と一緒にお茶を飲んでいた。
「おい、レナ。お前が実家に帰って来るなんて珍しいな」
お父さんじゃないけれど相変わらずいけ好かない野郎だわ。 でも母は彼が大のお気に入りで、ルナが白鳥翔と結婚したのは大層喜ばしい事らしい。
まあ、ルナが幸せそうなのは顔を見れば分かる。 伴侶として白鳥翔を選んだ理由は全く分からないけれど。
「あんたには関係ない事よ。 それよりお父さん、私明日は車庫に入っている車で出掛けるから」
「レナが車を使うなんて珍しいなあ。 大丈夫か?もしあれだったらお父さんもついていこうか?」