【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
さっきまで真っ青になって倒れそうになっていた父が、活き活きとした顔で彼に言う。
二人を睨みつけながら「お父さんも 白鳥翔も 馬鹿ッ!」と吐き捨てると父はまた真っ青になって私の名前を呼んだ。
リビングから飛び出して、自分の部屋へと戻るとベッドに腰をおろし大きなため息が出た。
「はぁ~~~~…あんな自棄になって馬鹿みたい。 これじゃあ子供じゃんかね」
久しぶりに上がった自分の部屋は窓が大きく開かれていて、空気を入れ替えられていた。
22歳のあの日家を出た日と何も変わらない。 ベッドや本棚の配置も。 塵や埃が少しも見当たらないのは、母が頻繁に掃除をしてくれているお陰だろう。
それを考えると少しだけ切なくなる。 ベッドに転がるとお日様の匂いがして、途端に心地よくなり睡魔に襲われる。
『めっちゃ楽しみ~』
『早く日曜日にならないかって。 まるで遠足気分(笑)』
『本当にお弁当作ってくれるの?この間の生姜焼き美味しかったから楽しみすぎる!』
ここ数日海から着ていたラインの数々だ。 悪い気はしなかった。 初めはバリバリ警戒をしていたのに毎日のようにメッセージのやり取りをするのが普通になってしまった。
当たり前になり過ぎて、連絡がないとソワソワしてしまう。 これじゃあ本当に待っているみたいだわ。 嫌だ嫌だ。 そう考えながらも明日のお弁当のメニューを真剣に考えている自分がどこかに居た。