愛の距離がハカレナイ
私はとにかくさらっと答えたが‥。

「それだけ?」

「‥それがさ‥。」

私は周りをきょろきょろすると、資料室へ香澄を促す。

「どうしたのよ。仕事最中に済む話でなければ、お昼に時間を取るよ。」

香澄は珍しくそわそわしている。

「…キスされそうになった‥。」

「はぁ?」

香澄の予想通りの反応に、私もそわそわする。

「何かさ‥、積極的なのよ。」

私は大きく溜息をつく。

「キスに関しては、南川課長も無意識だったみたいで、とっさに我に返ってびっくりしていたみたいだから、こっちも何も言えなくなっちゃってさ。」

私は昨晩の事を思い出しながら、慌てて首を振る。

「これからどうするのよ、南川課長が自分を抑えられなくなって来たってことでしょ。」

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