愛の距離がハカレナイ
確かに水島には合理的な所はあるけど‥、ちょっと準備が良すぎない?

私は何気に水島の荷物に目を向ける。

「それじゃあ、まだ時間には余裕があるでしょう。」

私はふっと目を伏せる。

「‥私にも準備する時間をちょうだいよ。…祐介。」

ダメだ…、慣れない事を言うと、相手の顔すら見られない。

あれ…?

しばしの沈黙の後、あまりにも水島からの反応がなくて、私は振り返った。

「水島‥?」

そこには真っ赤な顔をした水島が固まっていた。

私が合わせようとする視線を、もろに避けた水島。

「何か言いなさいよ!」

「名前を呼ばれるだけでこんな思いをしたのは‥、初めてだ。」

私も水島も30歳。

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