また君と恋する
「えっ!?」

思わぬ言葉に大きな声が出た。

周りの人から変な目で見られても気にしてられず、飄々とした表情を崩さない志希の言葉を頭の中で反芻させた。

先行したのは“照れ”ではなく“笑い”。

気付いた時には思いっきり笑っていた。

「もしかして、結大君に言われた言葉、ずっと気にしてたの?」

思い出したのは今朝の会話。

『可愛いー! ね、志希』

『そーいうことはちゃんと口で言わねーと』

『見慣れてるし』

髪型の話をしたのはその時だけ。

志希はうんともすんとも言わず、そっぽを向いてしまった。

言おうか迷っていた言葉を口にしたのは、場を和ませたかったからかもしれないし、ただ単にずっと引っかかっていただけかもしれない。

どちらにせよ志希の気遣いを思うと、お腹の辺りがくすぐったくなった。
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