また君と恋する
お母さんの言葉に苦笑いを返す。

何となく察してくれただけ?

それとも、覚えていてくれたのかな、私が辛いもの好きだって。

七味唐辛子を振りかけながら、胸の締まる思いがした。


午後は荷物の片付けをする。

それほど荷物は持ってきてないからすぐ終わるはず、なんだけど……。

「由麻ちゃーん。遊ぼー」

「今お片付けしてるの。下で遊んでて」

「いやー」

虹心がいるとどうしても(はかど)らない。

「じゃあママと一緒に遊びましょう!」

「お母さん! なに自分だけ片付けから逃げようとしてるの」

「ぶーぶー」

年甲斐もなくむくれるお母さん。

「遊ぶのー」

「後でいっぱい遊んであげるからね。虹心も一緒にお片付けしてくれたらすぐ終わるよ」
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