また君と恋する
志希はというと、有馬さんの顔すら見ようとしない。

「あれ、志希先輩ですよね?」

有馬さんは、顔を逸らす志希を覗くようにまじまじと見た。

ちょっと……近くない?

「2人、知り合い?」

「違いますよ。志希先輩ってカッコイイじゃないですかぁ。1年の間でもちょー有名で。もちろん、結大先輩もねっ☆」

日常生活でウインクする人、初めて見た。

小さな声で「怖ぇ……」と漏らしたのは深丘だった。

「先輩達、ほんとに人気ですよ。結大先輩と知り合いって言うと、みんなに『いいなぁ』って言われるんです。この上、志希先輩とも知り合っちゃったから大変なことになりそぉ」

困り顔をしながら、でも、なぜか嬉しそうな有馬さん。

結大君は慣れているようで、志希も表情を変えない。こういう時、モテるイケメン達は適応力があるみたい。
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