また君と恋する
最近、頭にあるのは中間考査のこと。

別に悩むほどの成績を叩き出しているわけではないけど、2年生になって初めての試験だし、学校全体が中間考査の準備を始めたら嫌でも考えてしまう。

だからかな。

すっかりこの子の存在を忘れていた。

朝、教室に来てみれば。

久しぶりに聞く甘い声。

「志希先輩って頭いいって聞きましたぁ。あたし、バカなんでー。先輩、教えてください♡」

2年の教室でも気にせず愛想を振りまく1年生女子。

有馬 未宇ちゃん。

すぐに名前が出てきてホッとしたのも束の間。

「バカなのが可愛いと思ってるよ、あの子」

呟くような細い声。

今登校してきたらしい深丘が、アホらしいとでも言いたげな顔で私の横に立っていた。
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