また君と恋する
私は志希ばかりに目を奪われていたけど、確かにクラスの男子が協力して戦っている姿はカッコイイと思う。

一方で、この雰囲気に似合わない子が1人。

「はぁ……」

体育座りになって顔を伏せ、ため息を吐く深丘。

「どしたの?」

「んー、なんかさぁ……」

顔を上げた深丘は、視線を男子の練習風景へ向けたまま口を開いた。

「彼氏に避けられてるっぽいんだよね」

彼氏……。

深丘の口から彼氏の悩みを聞くのは初めてだった。

彼氏と何度か話したことがあるけど、真面目で誠実そうな印象を受けた。

喧嘩らしい喧嘩の1つもないって深丘は言ってたけど。
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