また君と恋する
夏休みを挟んでいたせいか、私達の関係を知る同級生はそんなに多くない。

夏休みに学校で会えるのは、志希のサッカー部と私の美術部の活動が被った時だけ。

だから私達は外でよく会っていた。

駅前の喫茶店や図書館、公園。一度、志希の家に行ったこともある。

ちょっと遠出してデートしたのは、映画館とグループで行った夏祭りくらい。

特別なデートはしてないけど、何気ない日常はそれはそれで幸せだった。

毎日に幸せを感じる今と変わらない。


フードコートを通りすぎようとした時だった。

不意に志希が足を止め、私の腕を掴んだ。

私も思いがけず立ち止まって、どうしたのか聞こうとした。

それより早く。

「志希?」

と男の呼ぶ声がしたのだ。
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