夜明けの光をあつめながら
「ただの『星好き』さ。
名乗るほどのものじゃないよ」

「はあ・・・」

なんて言葉を返していいのか、私にはわからなかった。
名前とか名乗ってくれたら、私も自分のことを少しでも話せたのに。

でも彼は私を気にせず、自分のペースで私に問い掛ける。

「君は星座の名前とか、わかるの?」

私は少し考えてから答える。

「あ、いえ・・・・。
星座とか、私には全くわからないです。
ただ私、星が好きなので。
星を見るのが好きなので」

本当だ。
おばあちゃんは『星座』について、なんでも知っていたが、私は違う。

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