極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

一枚だけもらったエコー写真を何度も見返しては、お腹に手をあてる毎日。人工妊娠中絶の選択肢は頭から綺麗さっぱり消えていた。


「産みたいです」
「それならやっぱり本郷さんに話さなきゃ」
「それは……できません」


自分でも意地っ張りだと思う。だけど彼を好きだからこそ、子どもを理由にしてそばにいられない。


「藤倉さんって意外と頑固だったのね」


それまで真剣な表情を貫いていた百合香が、ふっと頬を緩める。諦めにも似た表情だった。


「だけど、ひとりで産んで育てていくのは簡単じゃないの。夫婦揃っていたって毎日てんやわんやなんだから」
「そうですよね……」


まさに今そんな事態に直面している百合香の言葉には重みがある。
ひとりで育てていく厳しさも頭ではわかっているつもりだ。
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