極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「兼平さんにお話を聞いていただいて気持ちがとても楽になりました。泣いたりしてすみません」
自分ひとりで抱えるには大きすぎるため、誰かに共有してもらえて肩の荷が少し軽くなった気がする。当然ながら実際に軽くなったわけではなく、秘密を背負い込む覚悟は日に日に重くなっているのだが。
「妊娠中は情緒が不安定になるものだから気にしないで」
「そうなんですか?」
「うん。感情の起伏が激しくなるの。私も泣いたり怒ったりして、悟さんをよく困らせたっけ」
いつも落ち着いて冷静な百合香が、泣いて怒ったりするような取り乱し方をする姿は想像できない。職場だからあたり前かもしれないが、私生活でも常に凛としている印象だ。
「だけど私は、彼に話さないっていうのは反対だからね? もう一度よく考えてみて」
百合香は眉根をキッと寄せシビアな顔をする。でもその表情はどこか優しくて、子どもに諭すような口ぶりだった。