極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「離婚前提の結婚を申し込んだ本郷さんもちょっと頭にくるし」
「私も困っていたので、彼のせいじゃないんです。ですから本郷さんをあまり悪く思わないでください」
翔ひとりが悪者にされるのはいたたまれないため、慌てて取りなす。この結婚はふたりの同意のうえで成り立ったものだから。
あのとき美羽は本当に困っていたのだ。今だって翔には感謝している。彼があそこで〝プロポーズ〟してくれなかったら、きっと今も美羽は結婚相手を探して奔走していただろう。兄の結婚も遠のいていたはずだ。
「そんなに一生懸命庇うなんて、本郷さんのこと本当に好きなのね。でも、こんなに健気でかわいい藤倉さんをここまで悩ませて、やっぱり本郷さんは頭にくる」
結局、翔に対する怒りは元に戻ってしまった。
「その反面、ふたりの結婚を妻の私にもしっかり黙っていた悟さんは、ちょっと誇らしいな。でも、だから藤倉さんの妊娠のことは彼にも絶対に話しません。心配しないで」
「ありがとうございます」
百合香は優しく笑い、すっかり冷めきったカフェラテを一気に飲み干した。