極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
突然、背後から声を掛けられる。足を止めて振り返ったたら、そこに思いがけない人がいた。
「ほ、本郷さん⁉︎」
翔だったため驚きで声が裏返る。続け様に言った「こんにちは」は頭のてっぺんから抜けるような声になった。
オフに外で会うのは初めてだし、こうして面と向かって会うのは彼が機長になったときにお祝いの言葉を掛けて以来だ。
淡いブルーのストライプシャツとベージュのスリムパンツに、ネイビーのテーラードジャケットを羽織ったカジュアルなスタイルがとても爽やか。普段職場で見るパイロットの制服に制帽とはまた違い、そのギャップが新鮮だった。
空港で人の注目を浴びる彼は、街へ出ても同じらしい。美羽たちのそばを通り過ぎていく人たちの視線が、チラチラと彼に向けられていた。
「藤倉さん、休み?」
「はい。本郷さんもそうですか?」
「大学時代の友人と食事をね。藤倉さんは……」
そう言いながら翔の目線が、イタリアンレストランに立てかけてあったボードに向けられる。そこには〝本日貸切〟と書かれていた。