極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
こんな調子ではこのパーティーでカップル成立は無理だろう。自己アピールの苦手な美羽では、今日に限らずこういった場は向かない気もしている。
「だったら俺にしたらいい」
「どういう意味ですか?」
なにをもってしての〝俺〟なのだろう。
「俺と結婚しようって意味」
いきなり難聴になってしまったか。結婚に固執するあまりにすべての単語がそう聞こえてしまうのか。だとしたら相当重症だ。
「おっしゃっていることがわからないのですが」
「俺は今、キミにプロポーズをしたんだ」
「ですからそれがわからないと――」
「まずはパーティーを今すぐ断っておいで。話はそれからにしよう」
優しい表情と口調だが翔は有無を言わせず、会場のレストランに美羽の背中をぐいぐい押した。
「ちょっ」