極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
だから、なにがあっても絶対にばれてはならない。このまま離婚まで、なんとしてでも隠し通すのだ。
「本郷さんはどちらへフライトだったんですか?」
萌子が目の前のドリアそっちのけで、彼のほうに身を乗り出す。
「バンコク」
「わぁ、タイですか! 私、タイ料理大好きなんです。香辛料たっぷりのグリーンカレーとか、それから……」
翔がひと言で簡潔に答えたのと対照的に、萌子が弾丸トークを繰り広げはじめた。
いっぽうの美羽は、翔が隣に座ったものだから余計にご飯が喉を通らなくなる。美羽ばかりが動揺していて、彼のほうをまったく見られない。不自然に前だけをひたすら向き、体を硬直させていた。
久しぶりに顔を合わせた彼を強烈に意識しているのが自分でもわかる。それもこれも、すべてはあの夜の過ちのせいだった。
これ以上、彼の隣にいるのは精神衛生上よくない。
「萌子、私、先に行くね」