極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
トレーを持って立ち上がろうとしたが――。
「まだ全然食べてないじゃないか」
翔が素早くそのトレーを掴んで阻止した。腰を浮かせた美羽を見上げる視線に動きを停止させられる。
「だ、大丈夫なんです」
「雨の中、展望デッキにいくつもり?」
「いえ、そうではないんですけど……」
「それならここでしっかり食べたほうがいい」
そうまで言われては、頑なに首を横に振れない。力が抜けたようにストンと座った。
「美羽、どうしたの? なんか様子が変じゃない?」
「えっ、う、ううん、そんなことないよ」
萌子に突っ込まれ、誤魔化そうとしてスプーンを持つ。しかし狼狽えたせいで手が滑り、フロアに金属音が響き渡った。
「ごめんなさいっ」
大慌てで拾おうとしたが翔に先を越され、替えのスプーンを取りに行かれてしまった。スマートすぎて言葉もない。