棗ちゃんはステキな恋がしたい
「へえ。無傷か。思ったよりやるねぇ」
「とっとと彩姫の居場所を――」
銀髪さんの元に近づいてきた一斗が、わたしを見て目を見開く。
「……ナツメ?」
一斗、まさか
奥で大人数の相手とケンカしてきたの?
「んでお前がここに」
家のものに一斗の居場所をつきとめさせたとは言えない。
「え……っと」
一斗に、謝りたくて。
みんなの前でタバコを見られるような提案しちゃったから。
あれには何かワケがあったんだよね?
「まさか。俺のあとつけてきたのか?」
「……ごめん」
「帰れ」
「でも、」
「邪魔だ」