棗ちゃんはステキな恋がしたい


「ご褒美……?」

「そう」

「それって。……どんな」

「わかってんじゃねえの」



一斗の綺麗な顔が、ゆっくり近づいてくる。


よけなきゃ。



このままだと、わたしたち


恋人でもないのにこんな場所で――……



「離れろ洲崎一斗」



――――!




「それ以上近づくと殺すぞ」



ここにいるはずのない声が、聞こえてくる。



「その子は僕のお嫁さんだ」


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