棗ちゃんはステキな恋がしたい
――――その声は
「朝から僕の棗となにしてる!」
「うーわ」
「離れろ……!」
ミツルさん!?
「お、おはようございます。どうしてここに?」
「ギャ……ギャルが。僕に謝りにきて」
西脇さん、ちゃんと謝ってくれたんだ。
「いや。そんなことより今すぐ棗から離れろ洲崎一斗!」
「離れる理由がねえな」
「なんだと?」
「俺ら――付き合ってるし」
「はあ!?」
「だろ。ナツメ」
「え……と」
「聞けば。お前、もう許婚でもなんでもねーだろ」
「それ……は」
ミツルさんの目が泳ぐ。
うん。
よく見れば、大きな幅広の二重。
まつげも長そう。
美少年っていうのはホントかも。
「ケガしたからってナツメを好きにできると思ったら大間違いだぞエロ眼鏡」