販売員だって恋します
「まだまだ、これからですよ」
由佳は父に笑顔を向けた。

「そうだな」
「お兄さんにも、まだ、お父さんは必要です。」
「そうか……そうだといいな。」

しっかりしたことを言う由佳に、父は少し嬉しそうな顔を向ける。

「新しいお店も楽しみです」
「そうか……」
「また、来ます」

笑顔を向けた由佳に、父は照れくさそうに、片手を上げた。

外に出た由佳は、そこで携帯を取り出す。
一刻も早く大藤の声が聞きたかった。

電話を鳴らすと、ほとんど間髪入れずに大藤の声が聞こえる。

『はい。由佳?』
「終わりました」
『お疲れ様』

その柔らかい声に、由佳は泣きそうなくらい安心した。

「久信さん、言ってくれないなんてズルいです。お兄さんのこと。」
『ああ、絋さん行って下さったんですね。』
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