販売員だって恋します
「修行させてもらっています。『くすだ』で。向こうの板長代理に気に入られて、代理がここまで来て、下拵《したごしら》えを手伝ってくださったりしています。まさか、こんなことになるとは思わなかった。ありがとうございます。」
大藤に礼儀正しく、お辞儀をする絋の様子はとても綺麗だ。
「そう、よかった。私は何もしていませんけど。絋さんの熱意や真剣さ、由佳の気持ちが伝わったのではないですか?」
大藤は澄ました顔をして答えている。
由佳はそんな2人を見て、ふ……と微笑んだ。
最近は由佳も大藤が目立つことが好きではない、と分かってきたので、大藤のそんな様子にもクスクス笑うだけだ。
そして心の中で、とても感謝していた。
あの時大藤が動いてくれなければ、神崎が強引な方法に出ることも考えられたし、もしも父が本当に切羽詰まっていたら、それに靡《なび》いてしまったかも知れなかったのだ。
そして、動いてくれなかったら、父と絋が和解することもなかっただろう。
絋も本当のことを伝える決意が、いつまでも付かず、きっとずっとあのままだったに違いない。
大藤に礼儀正しく、お辞儀をする絋の様子はとても綺麗だ。
「そう、よかった。私は何もしていませんけど。絋さんの熱意や真剣さ、由佳の気持ちが伝わったのではないですか?」
大藤は澄ました顔をして答えている。
由佳はそんな2人を見て、ふ……と微笑んだ。
最近は由佳も大藤が目立つことが好きではない、と分かってきたので、大藤のそんな様子にもクスクス笑うだけだ。
そして心の中で、とても感謝していた。
あの時大藤が動いてくれなければ、神崎が強引な方法に出ることも考えられたし、もしも父が本当に切羽詰まっていたら、それに靡《なび》いてしまったかも知れなかったのだ。
そして、動いてくれなかったら、父と絋が和解することもなかっただろう。
絋も本当のことを伝える決意が、いつまでも付かず、きっとずっとあのままだったに違いない。