販売員だって恋します
「じゃあ、なぜ黙っているんです?」
「っ……なんとなく……です。言って構わないです。久信さんさえ良ければ。」

「へーえ、じゃあ、明日言いましょうか?」
大藤は自分の腕の中に由佳を抱き込む。

目線で促すと、由佳は大藤の部屋着のボタンを外し始めた。
「いつでも、いいですよ?」

ボタンを外しながら、露わになっていく身体に由佳はドキドキする。

大藤はすらりとしていて、ウエストも細いのだが実はそれなりに鍛えられているから。

激しくパンプアップされたものではないけど、綺麗に筋肉がついていて、余分な肉があまりなく、なめされたような肌が綺麗だ。

それがシャツの隙間から見えるのはなかなかに艶めかしい。

一方の大藤は、由佳がふわりと頬を赤くしながら、ボタンを外してくれるのを見るのが好きだった。

顔を真っ赤にして、照れているのが可愛いから。
時折、誤って大藤の肌に指が触れてしまって、慌てて手を引っ込めてしまうのも可愛い。

こんなに奥ゆかしいのに、いざとなると途端に驚くほど大胆になることがあるのだ。

その時は大藤を信頼して、気持ちを預けてくれているから、こんなに大胆なところを見せてくれているのかと思うとますます可愛い。
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