金木犀
ーside 湊ー
星南の出した決断にホッとしている自分がいた。
例え産みの親だったとしても、一度は星南を育てることを放棄した。
これは立派な犯罪でなんの罪のない星南の見えない心に傷をつけたことに変わりはない。
大切な人に向けられたその理不尽な言い分に腹を立てず受け流すことができるほど、俺はてきた人間じゃない。
公共の場でなければ、あの時星南の兄に手を出していたかもしれない。
初めて見た星南の弱々しい姿に、心が締め付けられていた。
星南に今夜はそばにいてほしいと言われ、ようやく眠りについた星南の頭を一度撫でてからベッドから離れ、星南の兄へ連絡を取った。
「夜分遅くにすみません。星南のお兄様の携帯で間違いないでしょうか。」
「星南の連れか。それでちゃんと同意書にサインしたんだろうな?」
「そのことですが。その話はなかったことにしてください。」
「は?」
「星南は、あなた方の勝手な理由で育児放棄をされてきました。それ以前に、星南は俺にとってたった一人の大切な女性です。
申し訳ありませんが、移植ネットワークからの順番を待ってください。
本来ならそうやって命が繋がれていくものです。
あなたの母親の主治医がどんな話をしてそういった治療方針になったのかは知りませんが、正式なルートでちゃんとした治療を受けてください。」
「ふざけんなよ…!」
「それから、これ以上星南を傷つけるようなことをしたら私が許しませんから。
それでは、失礼します。」
星南の出した決断にホッとしている自分がいた。
例え産みの親だったとしても、一度は星南を育てることを放棄した。
これは立派な犯罪でなんの罪のない星南の見えない心に傷をつけたことに変わりはない。
大切な人に向けられたその理不尽な言い分に腹を立てず受け流すことができるほど、俺はてきた人間じゃない。
公共の場でなければ、あの時星南の兄に手を出していたかもしれない。
初めて見た星南の弱々しい姿に、心が締め付けられていた。
星南に今夜はそばにいてほしいと言われ、ようやく眠りについた星南の頭を一度撫でてからベッドから離れ、星南の兄へ連絡を取った。
「夜分遅くにすみません。星南のお兄様の携帯で間違いないでしょうか。」
「星南の連れか。それでちゃんと同意書にサインしたんだろうな?」
「そのことですが。その話はなかったことにしてください。」
「は?」
「星南は、あなた方の勝手な理由で育児放棄をされてきました。それ以前に、星南は俺にとってたった一人の大切な女性です。
申し訳ありませんが、移植ネットワークからの順番を待ってください。
本来ならそうやって命が繋がれていくものです。
あなたの母親の主治医がどんな話をしてそういった治療方針になったのかは知りませんが、正式なルートでちゃんとした治療を受けてください。」
「ふざけんなよ…!」
「それから、これ以上星南を傷つけるようなことをしたら私が許しませんから。
それでは、失礼します。」
