憧れの陛下との新婚初夜に、王弟がやってきた!?
「国王陛下と王妃殿下手ずからご看病とか、本当に仲がよろしいのですね」
副官のジョナサンが部屋にやってきたのは、夜も遅くなってからだった。俺が目覚めたのは夕食の少し前くらいの時間帯でアルマと、夕食と共にやってきたユーリに世話を焼かれて夕食を摂った。どうやらそれが警護の部下からジョナサンに伝わったのだろう。
「片手では色々不便だからな、しかも利き腕だし」
言い訳のように言えば、ジョナサンは肩を竦める。
「今夜だけじゃありませんよ!この数日、お二人ともどちらかは絶対に殿下のそばについていましたから。とくに王妃陛下はご自身をかばってのお怪我であることに責任を感じてか、随分と献身的にお世話しておられましたよ」
「アルマが?」
思いもかけない話に、驚いてジョナサンを見上げれば、彼はぴゅうっと口笛を吹く。
「あ、今エロイこと考えたでしょ?着替や拭き清めなんかは、侍女だと思いますよ、残念ながら」
「あほか!そんなの当然だ!王妃にそこまで侍女がやらせていたら職務怠慢だ」
「あ、流石にわかってましたか」
肩を竦めたジョナサンを俺はにらみつける。
本当にこの男は有能なくせに、一言二言が余分なのだ。
「でも、難儀なものですね。好きな相手が兄上の奥様だなんて…しかもラブラブときた」
「それ以上言うな」
低い声で言えば、ジョアナさんは肩を竦める。本当にこの男は喰えない。
「はいはい。とりあえずここまでの報告ですよね!正直もうやること無いんで、きっちり静養してくださいよね。背中に短刀刺したまま現場指揮してる王子の姿はなかなか衝撃的な光景すぎて、貴族の令嬢がさらにあなたに熱を上げているらしいですよ。司令部に山のように結婚の申し出が来ていますから、それもまた持ってきますね。」
「いや、全部捨てておけ」
この事態の処理が済めば、いよいよ本当に結婚の話が浮上するかもしれない。今はそれどころではないし、そんなつもりはさらさらないのだが…。
「先に手を打つべきかも知れないな」
額に手を当てて項垂れる。これはあと1,2年の後の最終手段と思っていたのだが。
「え、まさか。シェリン?アイツを口説き落としたんですか!?」」
察しよくぴくっと肩を揺らしたジョナサンに、嫌気がさして息を吐く。
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