憧れの陛下との新婚初夜に、王弟がやってきた!?
「なんだか朝から疲れてるね?」
楽しそうに笑うユーリ様に私は、昨晩の事を思い出して赤面する。
昨晩の私は、ジェイドに責め立てられてぐちゃぐちゃに乱れて、そして初めてイクという感覚を覚えこまされて、気を失った。
朦朧としている所に、やけにヒヤリとした彼の唇が当てられて、冷たいものが流れ落ちていって水を飲まされたのだと理解したけれどそこで記憶は途切れた。
朝起きたらきちんと整えられた寝巻きを着ていてきちんと布団もかぶっていた。
でもまさかあんな事をするなんて…。
思い出しただけで顔から火が出そう。
そんな私を眺めてユーリ様は
「気持ち良くイけた?」
更なる追い討ちをかけるのだ。
軽く飲みかけのミルクを吹きそうになり、あわててそこは堪えて飲み下した。
「そんなこと…」
聞かないでと言いかけて軽くユーリ様を睨みつけると、その視線を受けたユーリさまがクスクス笑う。
「今のうちに目一杯甘やかしてもらえばいいよ」
「あまやかす…?」
甘やかすというより、いいように弄ばれているのではないかとすら思うのだけれど…。
訝し気にユーリ様に問い返せば、彼女は「そうだよ!」とにこやかに頷いた。
「きっとその時がきたら、あいつにも余裕がないからね」
「余裕?」
たしかに今までのジェイドは私を翻弄して弄んでばかりで余裕ではありそうだけれど…。
「まぁ、アルマはアルマのペースでいいんだよ?何か困った事があったら聞いてね」
そう言ってパチンとウインクされて、私は辿々しく頷いた。
それから数日、ジェイドは視察の大詰めを迎えて不在だった。
あんな不埒で刺激的な事をされておいて、それでもなんとなく夜が寂しく感じるようになってしまった私は、鏡の前で日に日に薄くなって消えていく胸元の鬱血痕をなぞった。
そんな中、ベルベルト卿とエリスの処遇がアースラン殿下により下されて、2人はそれぞれ王都から領地へ下がったと報告があった。
エリスはこの後。然るべき家に嫁ぐよう縁談が調整されているらしい。
ついでにチェルシー妃にも、やたらと王宮の辺りを彷徨くな、と釘を刺して下さったとの事だった。
革新派の象徴となっているアースラン殿下が矢面に立って自らの身内を処断した事により、これでしばらくは革新派も王室に対して大きく働きかける事は出来なくなった。
そうして議会の閉会を迎えて、国王代理の私自身も冬の休暇に入った。
ユーリ様のお子が生まれたら、私は表向きの母としてまた色々と忙しくなるだろう。そう思っていたからこの休暇は可能な限りゆったりすごそう。そう思っていたのに…その思惑は見事に打ち砕かれた。
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