涙の涸れる日

ウェディングパーティー

 五月吉日……。

 紗耶と俺のウェディングパーティー当日。

 前日に紗耶と二人で区役所に行き婚姻届を提出して来た。

 紗耶は高梨紗耶になった。


 教会でも神前でも仏前でもなく、昨日婚姻届を提出してきた事を報告し、二人でこれから幸せになりますと参列してくださった皆さんに誓い、マリッジリングの交換をする事で式とする事にした。




 イタリアンレストランは、いつもと全く様子を変えていて驚いた。

 色とりどりの花が会場を華やかに飾り、テーブルも上品なレースのクロスが掛けられ、可愛らしい天使のオブジェが微笑みかける。

 支度もあり招待客よりも早く入った紗耶は
「緊張する」
と言いながら嬉しそうだった。

 紗耶の支度は大学時代の友人の桜子さんがプロのメイクアップアーティストと一緒に担当してくれた。

 俺はライトグレーのタキシードに着替えて、早目に着いた招待客に挨拶していた。


 どうしても都合がつかず、紗耶の両親と俺の両親はきょうが初顔合わせになってしまった。

 お互い丁寧に挨拶を交わし、父親同士、母親同士でにこやかに話していて安心した。

 紗耶のお兄さん、俺の兄も北海道から来てくれた。

 会社の佐田部長、同僚たち、後輩の榎本なども喜んで出席してくれた。

 紗耶の友人、里香さん、樹里さん、高校時代の友人、父親の会社で仲良くなった友人などたくさんの方が祝福に来てくださった。


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