【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
ええっ……もう。お母さんったら、気が早すぎるよ。
「お母さん……。わたし、高木原さんとなら、幸せになれるかもしれないって思ったよ」
「そう。よかったわね? お母さんも嬉しいわ。美鈴が幸せになってくれるなら」
「……お母さんみたいに、幸せだって思えるようになりたいな」
とわたしが言うと、お母さんは「大丈夫よ。美鈴ならきっと、幸せになれるから」と言ってキッチンの方へ行ってしまった。
「……幸せになれるのかな?わたし」
両親に言われるがまま始まったこのお見合いだけど、うまく言ってると言ってもいいのかな?
そしてその日、わたしはリモートでお兄ちゃんと話をした。
「あ、お兄ちゃん?久しぶり。元気?」
「おぉ、元気だぞ。美鈴は元気か?」
「うん。元気だよ」
秋哉(しゅうや)お兄ちゃん。わたしの一個上のお兄ちゃんだ。今は海外に留学しているので、なかなか会えないけど。こうして時々、リモートで話をしている。
お兄ちゃんは海外で今、経営学を学んでいるので、あと二年くらいは帰ってこないかもしれない。