【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「ただいま」

「お帰りなさい。秋一さん」
 
 夜の10時頃、お父さんは仕事を終えて帰ってきた。とても疲れた顔をしている。

「あ、お帰りお父さん」

「お、美鈴。風呂入ってたのか」

「うん。 あ、お父さんも入る?」

 と聞くと、お父さんは「ああ、そうしようかな」と答えた。

「秋一さん、パジャマとバスタオル置いておきますね?」

「ああ、ありがとう美優紀」

「はい」

 お母さんは、いつもお父さんに優しい。仕事から疲れて帰ってきたお父さんを、いつもこうして優しく接しては笑顔にさせている。

「お母さん、お父さんいつも帰り遅いね?……まぁ、昔からそうだけど。お父さん、大変そうだね」

「でもお父さんがいつも忙しくしてるのは、あなたたちのためよ」

 わたしがお母さんにそう問いかけると、お母さんは明るい声でそう言ってきた。

「……え?」

 わたしたちのため……?

「あなたたちのために、お父さんは一生懸命頑張ってるのよ。あなたたちが幸せになれるように、一生懸命頑張ってるの。 だから、いつも忙しいのよ」

「……そっか」
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