【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「……んっ、ぁっ」 

 そしてお互いに深く口づけを交わしては、夜中までふたり、体を重ね合った。 そしてお互いに果てた頃、わたしは梓さんの余韻の残るその腕に抱かれながら、ふたり一緒に眠りについた。

 夫婦ふたりの新婚初夜は、とても幸せだった。今までにないくらい幸せだった。

 こうしてわたしは、梓さんという素敵な夫と幸せな結婚生活を送り始めた。




◇ ◇ ◇




「美鈴、行ってくる」

「行ってらっしゃい。 あ、そうだ。はい、お弁当」

 梓さんと結婚してから間もなく1年。そして出会ってから、1年半。 わたしはいつも大好きな夫のために、毎日お弁当を作っている。わたしの愛情がたくさん詰まった手作りのお弁当を、いつも梓さんは「美味しい」と残さずに食べてくれる。

「いつもありがとう。 今日も愛してるよ、美鈴」

「……わたしも」

「じゃあ、美鈴、行ってきますのキスを」
  
「はい」 

 そして朝仕事に行くのを見送るのと、出掛ける前に行ってらっしゃいのキスをするのが、わたしたち夫婦の毎日のルーティンだ。
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