私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
彼の言葉を受けて、光を灯してないその瞳がギロッと動く。
怒りが滲み出たその目付きで、再び私たちを捉えた。
だからといって、怯むことはなく。
「おやおや、おかしいですね。普段の韋駄天様なら『小僧のくせに!』など怒り出しそうですが?何も言わないのですねぇ?」
竜樹様も普段からこんなに不敬な態度を取っているワケではないだろう。
これは敢えて、だ。
相手が架威だとわかっているから、なお強気な態度に出ている。
「おかしいといえば?……自分の可愛い息子の婚約者を何の根拠もなく冷酷に危険人物認定したり?愛娘が危険人物を擁護する発言をしても、何の反応もなし?感情豊かなはずの貴殿が」
「……」
「……いや、最初からおかしいでしょ。そもそもこの高位神族の私刑に関する法案、確か、正義感の強い貴殿は大賛成していて、先頭切って広めていたはずとお聞きしました。そんな貴殿が、堂々と法を破るなんて?……むしろ、貴殿は一体誰ですか」
ザワザワとしていた場内は、やがて静寂をもたらす。
あまりにも辛辣な竜樹様の発言にヒヤヒヤしている。だけではない。