男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 そんな中でセリーヌとセリウスの姉弟は、俺の胸に新鮮な高揚をもたらした。さらに、そう遠くない未来に俺は再び姉弟のどちらかと見えることになるだろうと、そんな予感を覚えていた――。
 束の間の物思いから、意識が今に戻る。
「どうやら、再び見えるのは弟のセリウスだったようだ」
 あれ以降も、俺は定期的に姉弟の身辺の調査を継続していた。そうしてプロスペールの死から四年が経った昨日、抵当に取られていた屋敷からついに一家が退去を命じられたとの報告を受けた。
 一家がこの状況に陥った責任の一端は俺にもあり、救済の手を差し伸べることに迷いはなかった。とは言え、皇帝の名で直接的に金銭の援助をしては、一家の……ひいては亡きプロスペールの不名誉を公然に晒すも同然。
 ならば、どうすべきか――。
 俺は十四歳に成長したセリウスを従者として召し上げる決断をした。当時セリーヌから聞かされていたとおり、たしかにセリウスは体調を崩しやすく体が弱い。
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