男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 セリウスの寝室を出た私は、すぐにサイラス様あてに従者承諾の手紙を認めて返送し、その足で小切手を換金した。そのまま街で明日の晩から泊まる宿を見つけ、サルランサ地方の保養所へセリウス入所の手続きを進めた。
 サルランサ地方は温暖な気候で療養には最適だ。加えて彼の地の保養所は最新鋭の設備を備え、優秀な医療スタッフのサポートの下で快適な療養生活が送れるという。そこで過ごせば、セリウスの体調はきっと良くなる。
 これを叶えるために、私はなんとしてもサイラス様の従者をやりきってみせる――!
 そうして従者の打診を受けてから僅か三日後、私は長い髪を結わえて男装に身を包み、セリウスとしてサイラス様と四年振りの対面を果たしていた――。

 意識が今に戻る。謁見室の扉からこちらを振り返ったサイラス様と激しく視線がぶつかる。 
 研ぎ澄まされた彼の眼差しは、まるで私という人間の奥底まで見透かされてしまいそうな錯覚すら感じる。しかし、私は意地でも視線を逸らさなかった。
「……ほう、大した心意気だ。面白い」
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