お見合い相手から溺愛されて困っています。

急に押し黙るあかりちゃんの様子に俺は不安になった。
せっかくこんなに待っていてくれたのには理由がある。自分にとって嬉しい理由だといいな、と内心とても弾んでいた。
だが、会った時とは表情が変わり急に曇る様子を見て不安になった。
あかりちゃんは何を言いにきてくれたんだろう…


やっとあかりちゃんが口を開くと「久しぶりに会えてよかったです。お疲れ様です。それじゃ…」と慌てて帰ってしまった。

俺は慌てて引き止めようとしたが一歩出遅れてしまい彼女を捕まえられなかった。

すぐに彼女に電話するが繋がらない。

このままではいけない、と本能がそう言ってる。

俺は先回りして車であかりちゃんの家へ向かった。

あかりちゃんはまだ帰っていない。
俺は車を止めあかりちゃんちの前で待つ。

11時を過ぎてトボトボと歩く姿を見つけ駆け寄る。
もう逃さない、と俺は手を握りしめる。