愛して欲しいなんて言わない!

金曜の夜

『今朝、言ったが今夜は理科教師たちと
飲み会だから遅くなる
夕飯は、冷蔵庫に入っているから
温めて食べろよ
俺がいなくても11時には寝ること』

律儀にメールがきた
仕事が終わってすぐに
メールしてくれたみたいだ

鈴子さんが6時に帰っていった
いつもは5時までだったけれど
今日は飲み会だから
8時まで残るように西九条に
命令されてると話してくれた

だから私は
気にすることないと6時に
帰ってもらった

だって鈴子さんだって
育ち盛りの子供が2人いる

きっと母の帰りを待っているはず

私は一人でも平気だ
一人には慣れている

子供を優先して欲しいって
鈴子さんに言った

でも7時になり
夕食を食べようと冷蔵庫を
開けると

寂しくなった

無性に
一人がさびしくて
西九条が用意してくれた
夕食に手を伸ばせなくなった

お腹が減っているのに
一人で食べるのが
辛かった
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