愛して欲しいなんて言わない!
7時15分
私は宿題をする気も起きず
テレビをつけて
ぼうっと眺めていた

何時ころ
西九条は帰ってくるのだろう

手に持っている携帯を見る

時間は少ししか経っていなかった

家のインターフォンが鳴った
私はソファを立つと玄関に向かった

「あ…青山先生?」

学校にいるときよりも厚化粧で
服も露出度のある格好で
青山先生が立っていた

私の顔を見た青山先生が
頬をひくひくさせて嫌な顔をした

「まだ…いたの?」

「はい」

「隼夜は?」

「いません
理科の先生たちと飲み会のようです」

「そうなの」

青山先生が口を開きながら
家の中にずかずかと
入って行った

あまり良い気分がしない

どうしてかな?
ちょっと前までなら
喜んで青山先生を家にあげていただろう

そして優衣の家へと
泊りに行っていたかもしれない

でも今は
ちょっと苛々する

勝手にあがって欲しくない

私はズカズカと居間に入っていく
青山先生の後ろを歩いていった

「本当にいないのね」

「だから飲み会だって
言ったじゃん」

「少し待たせてもらうわ」

「嫌だって言っても
いるんでしょ?」

「ええ。
だってここは隼夜の家であって
あなたの意見は関係ないもの」

私の家でもあるんですけど?

お金を出して買ったわけじゃないけど
私は西九条の妻だ

青山先生みたいに
西九条と体の関係はない

でも法的には夫婦で
この家は私の家でもあるんだ
< 105 / 151 >

この作品をシェア

pagetop