愛して欲しいなんて言わない!
「まだ寝てていいぞ」

寝室から出てきた私に
西九条が声をかけてきた

キッチンで忙しなく動く
西九条は
まるで主婦みたいだ

手際よく料理をする様は
手慣れている

一人で生活していたのが
長いのだろうか

「6時には起こされるんだろ?」

「ああ
まだ30分あるだろ」

「今から寝たら
起きれなくなる」

私はパジャマのまま
ダイニングルームの椅子に座った

眠い目をこする
規則正しい生活に
まだ慣れない

金曜の夜は
気合いを入れて
夜更かしをする

土曜日の朝は午後まで寝て
夕方から、外出する
夜遅くに帰宅して

日曜も午後まで寝る
夕方から
終わりそうにない宿題とにらめっこして

適当にノートに書き込んで

月曜の朝は寝坊をする

それが今までの
週末の過ごし方だった

西九条は
一人で生活していても

規則正しい生活を送っていたのだろうか

真面目に生活を
送っているようには
見えない男だけど

根は真面目なのか?
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