愛して欲しいなんて言わない！

「んじゃ、お二人でお話をどうぞ
なんだったら
着替えて外に出てようか？

恋人同士、休日はやることが
いっぱいだろ？」

西九条が怖い顔をして
私に近づいてきた

「恋人じゃないって
何度言ったらわかる！」

「それってさ
青山先生に失礼だよ

まるで私が西九条の恋人で
浮気がばれて言い訳している
男みたいに西九条が見える」

「俺はお前の…」

「監督者だから？
はいはい…そのセリフは聞き飽きました

休日くらい教師から男になればぁ」

私は西九条に背を向けて
自分の部屋に入った

段ボールだらけの部屋は
埃くさかった

急いで着替えて
鞄を持つと

すぐに家を飛び出した



『俺はお前の…』
西九条は何て言うつもりだったのだろう

『夫婦』とでも言うつもりだったのか
それとも
『夫』

夫婦だけど

結婚したけれど

私は
西九条と夫婦になったつもりはないよ