幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 父の腕の中にいるフランチェスカは、多数の人に囲まれて少しびくびくしているようだ。気づけば、また兎の耳をしゃぶっている。

(……でも、この人達は、私やフランを利用することしか考えていない)

 リーゼロッテには、フランチェスカの不安が痛いほどに伝わってくる。これは、双子だからなのだろうか。

「フラン、大丈夫だから」

 父がフランチェスカを床に下ろすのを待ち、リーゼロッテは、フランチェスカに近づいた。小さく震えている妹の手をぎゅっと握る。

「リーゼロッテは、偉いのだな。多数の人に囲まれても、まったく怯えるところを見せない。さすがは私の娘だ」

 ゆったりと微笑み、すかさずリーゼロッテを誉める父に、内面を面には出さないようにしてにこにことしてみせた。

(普通は、これだけ多数の人に囲まれたら怯えるものなんだけどな……)

 リーゼロッテが多数の人に囲まれても平然としていられるのは、日本人としての過去があるから。
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