幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 この屋敷に来たばかりの頃は、旅をする時に身につける丈夫な服を着ていたのが、今は黒い上着に黒いズボン。白いシャツはぴしっとしている。そして、元来の美貌の上に、モノクルが知的な雰囲気を追加していた。

「似合いますか?」
「うん! モノクルも似合ってる!」

 アルダリオンの薬が効いたようで、頭痛ももうほとんど治まっている。

「リーゼお嬢様、ご立派でございました。私も、あなたのことが誇らしいです――デリモの町長も、あなたを領主として認める、と」
「そう……それなら、まあよかったのかな。ありがとう、アルダリオン。雨の中、ずっと側にいてくれて」

 家族からの愛情は、少し前までだったらリーゼには当然のように与えられていたものだった。けれど、リーゼが公爵の娘としての地位を失ってからは、それはびくびくとしながら与えられるものに変化した。
 サージに会って、リリンダが側にいてくれるようになって。それから、シドも、アルダリオンも。

「当然のことをしたまでですよ」
「でも、嬉しかった」

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