幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼにはもう家族はいないから。雨の中、自分がずぶぬれになるのも構わずリーゼの側にいてくれたアルダリオンの気持ちが嬉しかった。

「吾輩だって、ずっとそばにいたんだぞ」
「シドもありがとう。シドが風よけになってくれていたの、知ってるよ。サージもいてくれたよね」

 そう返すと、シドの尾が照れくさそうに左右に揺れる。

「それなら、いいんだ」

 そう口にするなり、シドはぷいと横を向いてしまった。少々、照れ臭かったらしい

「雨の中、森に行ってくれたんでしょう?」
「あの薬は、生の葉を使わなければならないので、常備しておくことができないんです。その分、効き目は強いですよ」

 さすがエルフ、リーゼには想像もつかないような素晴らしい薬を作ることができるらしい。

「それでですね、リーゼお嬢様」
「……なぁに?」
「リーゼお嬢様の執事としてここにとどまる許可をいただけないでしょうか。私は長い間いろいろ学んできましたから、かなりの知識を持っていますよ」

 アルダリオンはにっこりと微笑む。
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