幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼの口元にも、小さな笑みが浮かんだ。ようやく、領主として認められたのだ。できることから少しずつやっていこう。

 * * *



 領主の執務室が、きちんと使われるのは初めてではないだろうか。
 数日して床上げをしたリーゼの前には、デリモの町長他、近隣の村や町の長達が集まっている。

「領主様、今まで申し訳ありませんでした」

 リーゼの前で、デリモの町長は深々と頭を下げた。デリモに来たばかりの頃、リーゼを追い払ったのを気にしているらしい。

「気にしないで。リーゼ、早く大人になるからちょっと待っててくれると嬉しい」

 リーゼがにっこりすると、長達はまた深々と頭を下げた。必殺、天使の微笑みである。
 リーゼの言葉に、室内には明らかにほっとした空気が漂う。この際だから、聞きたいことは全て聞いてしまおう。

「公爵は、リーゼのことなんて言ってた?」
「遠縁の者を領主として送る、とだけ。使者の口ぶりから、厄介払いをしたものだと――いえ、失礼」

 あまりな言い草だと自分でも思ったのか、町長は咳をしてごまかそうとした。

「口調には気をつけろよ、町長」

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