幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 坑道は真っ暗だ。先頭を行くシドの首には、光魔術のスキルを持つ人が魔力をこめたランプがかけられている。あとはアルダリオンとサージがランプを持っていた。

(……ひんやりしてる)

 坑道の中は、リーゼが思っている以上に温度が低かった。天井から、ぽつりと水滴が落ちてくるところもある。
 こんなところに住み着いているなんて、気の毒なドワーフは家がないのではないだろうか。ちょっと心配になる。
 しばらくの間、聞こえてくるのは一行の足音だけだった。
 先頭を行くシドは時々足をとめ、ふんふんと空中の臭いを確認している。これで、先に何があるのかある程度わかるらしい。

(……なんだか、怖い、な……)

 リーゼがきゅっとアルダリオンの手を握ると、安心させるように彼は手を握り返してくる。

「松明の臭いはしますか、シド?」
「いや、しないな。奥の方から、ドワーフのようなにおいはするが」

 アルダリオンは、どうしてそんなことを聞くのだろう。首をかしげていたら、リリンダがリーゼの疑問を代弁してくれた。

「松明の臭いって、大事?」
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