幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
ここでスキルを授かるのかと思うと、リーゼロッテも緊張してくる。
「フラン、先に行く」
ここまで兎のぬいぐるみを手放さなかったフランチェスカが宣言した。
先にリーゼロッテが素晴らしいスキルを授かってしまったら、フランチェスカは父に気にかけてもらえないだろう。たぶん、フランチェスカはそれに気づいていて、自分が先に行くと言ったのだ。
「わかった。フランが先でいい」
リーゼロッテがうなずくと、神官はフランチェスカを女神像の前に案内した。
「では、フランチェスカ様、女神の花冠の前に膝をついてください」
フランチェスカは花冠が頭にかぶせられる位置まで進み、女神の像の前で頭を垂れる。
両手を胸の前で組み合わせ、口の中でもごもごと何かつぶやいている。たぶん、「いいスキルが授かりますように」とか、そんなことだろう。
フランチェスカが膝をついてしばらくの間は、何の反応もなかった。
(これで終わり?)
そうリーゼロッテが思ったその瞬間――花冠がまばゆい光を放つ。真っ白な部屋の中で、その光は目を焼くほどに明るかった。
「フラン、先に行く」
ここまで兎のぬいぐるみを手放さなかったフランチェスカが宣言した。
先にリーゼロッテが素晴らしいスキルを授かってしまったら、フランチェスカは父に気にかけてもらえないだろう。たぶん、フランチェスカはそれに気づいていて、自分が先に行くと言ったのだ。
「わかった。フランが先でいい」
リーゼロッテがうなずくと、神官はフランチェスカを女神像の前に案内した。
「では、フランチェスカ様、女神の花冠の前に膝をついてください」
フランチェスカは花冠が頭にかぶせられる位置まで進み、女神の像の前で頭を垂れる。
両手を胸の前で組み合わせ、口の中でもごもごと何かつぶやいている。たぶん、「いいスキルが授かりますように」とか、そんなことだろう。
フランチェスカが膝をついてしばらくの間は、何の反応もなかった。
(これで終わり?)
そうリーゼロッテが思ったその瞬間――花冠がまばゆい光を放つ。真っ白な部屋の中で、その光は目を焼くほどに明るかった。