幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
心の中の声に、リーゼロッテは素直に返す。なぜ、頭の中に声が聞こえてくるのかと考えることはなかった。
無心になって祈っていたのはさほど長い時間ではなかっただろう。だが、リーゼロッテの祈りは、父の声によって破られた。
「リーゼロッテのスキルは、"硬化"だと? まったく、何の役にも立たないではないか!」
リーゼロッテの名が、これほどの怒りと共に吐き出されたことはなかった。おろおろとしながら立ち上がると、父はリーゼロッテに向かって険しい目を向けた。
「ものを硬くするしかできないスキル、我が家では役に立たん! この外れスキルめ!」
「お父様……」
「私のことを父と呼ぶな!」
リーゼロッテの差し出した手は、父によって振り払われた。
「神官殿、このことはどうか内密に」
「……かしこまりました」
父が神官に頭を下げているのをリーゼロッテは、呆然と見ていた。
(……皆を守ることができるスキルが欲しいって言ったのに)
リーゼロッテが授かった"硬化"というスキルは、有用ではないとされるスキルのひとつであった。ひたすらものを硬くすることしかできないのである。
無心になって祈っていたのはさほど長い時間ではなかっただろう。だが、リーゼロッテの祈りは、父の声によって破られた。
「リーゼロッテのスキルは、"硬化"だと? まったく、何の役にも立たないではないか!」
リーゼロッテの名が、これほどの怒りと共に吐き出されたことはなかった。おろおろとしながら立ち上がると、父はリーゼロッテに向かって険しい目を向けた。
「ものを硬くするしかできないスキル、我が家では役に立たん! この外れスキルめ!」
「お父様……」
「私のことを父と呼ぶな!」
リーゼロッテの差し出した手は、父によって振り払われた。
「神官殿、このことはどうか内密に」
「……かしこまりました」
父が神官に頭を下げているのをリーゼロッテは、呆然と見ていた。
(……皆を守ることができるスキルが欲しいって言ったのに)
リーゼロッテが授かった"硬化"というスキルは、有用ではないとされるスキルのひとつであった。ひたすらものを硬くすることしかできないのである。