幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
建設現場などでは有効に使われることもあるかもしれないが、大量の魔力を必要とする割に、硬くすることしかできない。そのため、有用ではない――外れ、と呼ばれるスキルでもあった。
「……お父様」
父が今までと手のひらを返したのもわからなくはないけれど、見捨てられたとは思いたくなくて、再び手を伸ばす。
その手を、父はぴしゃりと払った。まるで汚らわしいものに触れてしまったとでも言いたそうに、さらにその手をハンカチで拭う。
「――帰るぞ。それはあとから――いや、それはまずいな」
父は怯えた様子のフランチェスカに声もかけず抱き上げる。
母はリーゼロッテに手を伸ばし、来た時と同じようにつないでくれた。その様子に父は険しい目を向けたけれど、それ以上は何も言おうとしなかった。
無言のまま足早に来た道を戻り、馬車に乗り込む。
帰りの馬車の空気は重苦しいものだった。回復魔術という聖女と同じ稀有なスキルを授かったフランチェスカも、行きとは違う空気にびくびくとしている。
「……リーゼ」
「……お父様」
父が今までと手のひらを返したのもわからなくはないけれど、見捨てられたとは思いたくなくて、再び手を伸ばす。
その手を、父はぴしゃりと払った。まるで汚らわしいものに触れてしまったとでも言いたそうに、さらにその手をハンカチで拭う。
「――帰るぞ。それはあとから――いや、それはまずいな」
父は怯えた様子のフランチェスカに声もかけず抱き上げる。
母はリーゼロッテに手を伸ばし、来た時と同じようにつないでくれた。その様子に父は険しい目を向けたけれど、それ以上は何も言おうとしなかった。
無言のまま足早に来た道を戻り、馬車に乗り込む。
帰りの馬車の空気は重苦しいものだった。回復魔術という聖女と同じ稀有なスキルを授かったフランチェスカも、行きとは違う空気にびくびくとしている。
「……リーゼ」