幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 ちなみに吸血鬼は魔族にはならないらしい。彼らが瘴気を吸うと瘴気によって血を求めるだけの存在になるからだそうだ。リーゼの住んでいる屋敷に押し入ってきた吸血鬼のように。
遠い昔、魔族は神に反旗をひるがえした。魔族の王が、自ら、神になりかわろうとしたのだと言われている。
 ――けれど、それは創世神からこの世を預かったアビゲイルと、彼女の信徒達によって阻まれた。
 魔族以外のすべての種族が魔族に対立し、魔族はこの世界から追放され、この世界と死の世界のはざまに閉じ込められた――というのが伝説だ。
 だが、その封印は完璧ではなく、時折、世界の挟間から、こちらの世界に迷い出る魔族がいるのだとも言われている。迷い出た魔族達は、この世界の覇権を求め、仲間を増やそうとするものらしい。

(私は、まだまだ考えが足りないなぁ……)

 リーゼは、深く反省した。
 リーゼの力で堤防を強化し、仲間達の手を借りて、デリモは少しずつ、以前とは違う発展を見せるようになった。
 だが、瘴気について詳しく知らなかったのは失敗だった。もっと周囲に気を配って、皆から学んでいかなければならない。立派な領主になるために。

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